青と赤、そして無垢の白~映画「ヘルタースケルター」

連休最終日、「ヘルタースケルター」を観に出かけた。

りりこがそこに「生きて存在して」いる。


青と赤の強烈な世界が心に迫ってきて、空調は効いているのに全身に汗をかいた。


映画を観終わったあと、今にも客席の後ろから、りりこがあの美貌と微笑みをたたえ現れるのではないかと、一瞬、虚構が現実に流出してきたかのような錯覚を覚え、不思議な浮遊感の中、映画館をあとにしたのだった。



☆涙

蜷川実花さんの個性あふれる色の世界は本当に圧倒的で、知らないうちに心が絡めとられてしまったほどです。


同性としてりりこに共感することなどあり得ない。


そう思いながら観ていたのに、終盤のあるシーンで涙がこぼれそうに。

りりこ目線のシーンもあったせいでしょうか、いつの間にか感情移入していたようです。


彼女の孤独や焦り、いっそ壊れてしまいたいとまで願う欲望の数々。

同性だからこそ、シンクロしてしまう…

ここまで激しく深くはなくとも、そういうある種の危うさは私自身の中にもあるのだと痛感しました。


斎藤工さんがカメオ出演しているシーンも印象的ですし、南国の花や血を思わせる赤も、闇をひとかけら混ぜ込んだような独特の青も忘れられません。


こうも思うのです。りりこは白で始まり、白で終わるのだと。


そして、あの音量で主題歌を「浴びる」ことで、虚構から現実になんとか戻ってこれる。

そんなふうにも感じたのでした。