遥かの海へ~Nirai Kanai

4年前に発売された、1冊の写真集がある。

その名を「Nirai Kanai」と言う。


撮影者、山岸伸

モデル、斎藤工


英語の詩とやわらかな色彩のイラストが描かれ、

ページを開いた者の心を異空間へと誘(いざな)う。


遥か日の出づる彼方にある、海の国または異界。

それがニライカナイ。

かの国の使者は、青年をどんな旅へと誘うのだろう。


*山岸伸さん

PENフレンド写真展に出かけるまで山岸伸さんのことをほとんど存じ上げず、ブログをさかのぼって読ませていただきました。

それで、「Nirai Kanai」の撮影者その人であることを初めて知ったのです。


写真集というより、フォトブックという呼び名が似合うこの一冊ですが、帯や写真に添えられている詩は全て英語です。

英語の詩を乏しい英語力で読み解きながら、写真と対話する日々がしばらく続きました。


理由は簡単。

斎藤工さんが書いた元々の詩(日本語)が、巻末に挟み込まれていたことに気づかなかったから(汗)。


ページをめくっていくと、まとった空気感の異なる写真が何枚か現れました。

もしかしたら、と思ったのですが、工さんの撮影した写真だったのです。

うまく言えないのですが、被写体に対する愛おしさと少しの寂しさ。


水の透明度に心を奪われ、木の葉を揺らす風の音と止むことのない波の音。

そして潮の香りが手の届くほど近くに感じられるけれど、とてもとても遥かの国でのできごとのようで。


近くて遠い

見えているのに触れもせず

だけど

確かに心のどこかにある場所


「Nirai Kanai」


何かに迷った時、少し心がくたびれたかな、という時にも、開きたくなるフォトブックです。